Ventana al Teatro Latinoamericano
2018年11月~12月
〜『日本のペルー人物語』を創ってみる〜 ワークショップ

Photo: Miyako Fujinami

Photo: Miyako Fujinami


Photo: Miyako Fujinami
Así somos nosotros 〜これがわたしたち〜
日本で暮らす日系ペルーの方たちからお話を聞き、その情報をもとに演劇/パフォーマンス・アート作品を作り上げるというフィールドワーク企画です。上智大学の学生を対象として実施しました。学生たちは日系人共同体に実際に足を運び話を聞き、その後は大学の教室で自分たちの身体を用いて仕草や言葉に思いや考えをのせる作業を繰り返しながら、日本にとって緊急な課題である「日系人が日本で働くこととは」のテーマに向き合いました。相手の立場に立ち、思いを寄せ、学生同士の意見を交換し合いながら考える時間を持ちました。進行役には演劇ワークショップ・ファシリテーターのすずきこーたさんをお迎えしました。その作業過程を簡単にご紹介します。
蒲田教会に会場をご提供いただき、池田セサルさん、宮城モニカさん、佐伯キケからお話を伺いました。学生たちはインタビューの後、お話の中で印象に残ったことを「聞き書き」にまとめました。これは各自が聞いたお話を、話し手の立場に立って一人称で書いたもので、後の作品創りの台本の元となりました。このプロセスにより、人から聞いた客観的な事実に対して、「彼/彼女の決断の背景に何があったのか」「どのような思いであったのか」という想像力と理解を深められるようになり、自分事として捉えることができるようになりました。
各自の聞き書きの中から印象に残っている箇所や話し手の生き方で鍵となる場面を選んでつなぎ合わせて作品が出来上がり、ワークショップの最終日に朗読演劇の形で発表をおこないました。学生たちが考えた作品のタイトルはAsí somos nosotros、『これが私たち』。作品をご覧になった方々からは「聞いてインプットしたものを身体表現としてアウトプットするのは面白い試みだと思う」「これから海外から労働者の方がどんどん日本にやってきて、この作品のような話が普通になるのではないかと感じた」などの感想が寄せられました。
ワークショップ日程
2018年11月15日 18:45-20:15 上智大学
1.自己紹介
2.お互いを知るゲーム
3.ストップモーション練習
グループに分かれて『桃太郎』、『三匹の子豚』、畳販売者と弁当店の聞き書き(『日本人の仕事』蒲田慧著、平凡社、1986年。より抜粋)の一場面を身体のみで表現する。
2018年11月18日 15:00-17:00 蒲田教会
日系ペルーの人々へのインタビュー
全員で自己紹介をしてから、3つのグループに分かれて池田セサルさん、宮城モニカさん、佐伯キケさんへのインタビューを行い、3名の個人年表を作成。
2018年11月22日 18:45-20:15 上智大学
1.インタビューの感想を共有
2.聞き書きを読み合う
3.作品創りの準備
①聞き書きから 5~10 行分を選定し、タブロー(ストップモーション)
を創る
②会話による場面の描写をする
③身体に動きを付けながら聞き書きを読む
2018年11月29日 18:45-20:15 上智大学
1.作品創りの準備
2.練習
前週に創ったタブローをつなぎ合わせ、一つの作品とする。
2018年12月6日 18:00-20:15 上智大学
1.練習
2.Así somos nosotros上演
上演後に観客、参加学生、コーディネーター、主催者が共に感想や意見を出し合う。
Photo Credits
Miyako Fujinami
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