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2022年6月 演劇情報

公演案内:『テーバスランド』(2013 ウルグアイ)

 

ウルグアイ出身の作家Sergio Blancoの翻訳劇がKAAT神奈川芸術劇場で上演されます。作品は『テーバスランド』(仮屋浩子訳、北隆館、2019年)で読めます。

https://tebasland.com/

上映案内:『マタインディオス・聖なる村』(2016 ペルー)

 

ペルーの先住民の祭礼とカトリック信仰の混淆を捉えたドキュメンタリー映画。アフタートークも楽しみです。演劇ではありませんが、そんなことを言っている場合ではないことを予感させる映画なのでご案内します。

https://www.buenawayka.info/mataindios

メキシコ:『ママのお遊び』が上演されました

 

ランスのグランギニョールの手法を用いた恐怖残酷劇。アメリカの恐怖映画の巨匠トビー・フーパーの作品に着想を得たという。母の日にある家庭で起こる衝撃の出来事。2022年5月上演、ベニート・フアレス劇場

 

『ママのお遊び』El jiuego de mamá Luis Alcocer Guerrero作・演出

 5月というと、母の日を祝う穏やかな舞台情報が散見される中で、ドキッとさせられる舞台写真が目に入った。いくつもの紐がぶら下がった赤いオブジェが舞台中央上部にある。明らかに血の流れを連想させる。白い仮面、白装束でポーズを取る俳優たち。劇評には、「家族のあいだの人間関係に潜む残忍性や暴力を考えさせる作品」「ブラック・ユーモアの美学とサイコトロニクス映画の手法を用いた不気味な現代劇」と書かれている。

 母の日にマリオは将来の義母に挨拶をすべく恋人の家を訪ねるが次第に、3人の娘たちに虐待を受けている老婆の現実が見えてくる。現代社会の退廃を描く作品だとFortuna誌は評している。「血と恐怖と狂気のオルギア」。バリ舞踊のアーティストが参加し、仮面や人形芝居の要素が独特の世界をつくりあげている。2013年から活動しているProyecto Granguiñol Psicotrónico制作。作者のAlcocer Guerreoはグランギニョールの手法を用いた作品を発表してきた若い劇作家である。

​各リンクはこちら↓

La Jornada

Fortuna

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メキシコ:『筆もしくは剣』が上演されました

 

メキシコ屈指のパフォーマンスアーティストAstrid Hadadのエンターテイメント作品。歌、ビデオ、豪華な衣裳で観客を楽しませながら、「筆」と「剣」で17世紀のラテンアメリカ社会を生き抜いた実在の2人の伝説的な女性にフォーカスした舞台でした。2022年3月、エスペランサ・イリス劇場

 

『筆もしくは剣』La pluma o la espada

 〈あたしたちは記憶 Nosotras somos memoria〉と題されるシリーズ公演の中の1作。Hadadを中心とする女性アーティストたちが3か月にわたり、音楽、ダンス、カバレット、パフォーマンスなどの異種アートを通じて、女性性にフォーカスした作品群を上演したシリーズである。

 Hadadの『筆と剣』で描かれるのは、17世紀のふたりの女性、メキシコバロック演劇の作家である修道女ソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルスと、男たちとともに戦場に赴く人生を送った男装の尼僧アルフェレスである。女性に社会的活動の場が与えられていなかった時代を、「筆」と「剣」で自由に生き抜いた二人の姿が鮮やかな「記憶」として蘇るようすが劇評から見て取れる。

 Hadadは14着の装飾的な衣装を作品に登場させているが、この衣裳を用いたパフォーマンスはニューヨークのメトロポリタン美術館で披露済みである。Capital 21 Noticiasのインタビュー番組では、「女性には、誰かの奥さんになるか、尼僧になるか、殉教者になるかの3択しかなかった時代に、このふたりは見事なまでに自分らしい生き方をした。このふたりの話をバロック作品に仕上げたの。現代はバロックそのもの、見た目(apariencia)が科学(ciencia)に勝る時代。政治権力や軍事力が理性を凌駕する時代。ウクライナだってそうでしょ」と語っている。

 

​各リンクはこちら↓

El universal 16/02/2022

Bitacora CDMX 22/03/2022

Capital 21 Noticias 19/03/2022

ペルー:演劇祭「フェリア・アヤクチョ2021」が開催されました

 

1978年、ペルーのアヤクチョに集った若い演劇人たちからラ米の新しい演劇の伝統が始まったとされます。この演劇集会を記念するイベントが2021年11月に開催され、日本からは舞踏の三浦一壮さんが参加しました。

 

FACEBOOKに掲載された三浦一壮さんの舞踏の映像リンクを載せます。この作品についてご本人に伺ったところ、次の説明をいただきました。「タイトルはChimgurisa ちむぐりさ 沖縄の方言です。困難な状況にいる人々に寄り添うといった意味合いです。私の舞踏は現在、全てこの内面的テーマで踊ってます。“寄り添い” “死者への祈り” “懺悔” この三つを基本的テーマとしてます。」

 

Función Isso Miura https://www.facebook.com/encuentroayacucho/videos/1544891985896799

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